雨漏りの修理をしている現場を見たことがない方のために、「トーチ工法による防水工事」について、当組合加盟企業の名建商行(株)の水野さんに分かりやすく解説していただきます。
今回ご紹介する雨漏り修理の現場は、名古屋市内の某ビルオーナー様の物件です。
雨漏りでお困りとの事で、防水工事のご依頼を頂きました。
この建物の屋上防水は、アスファルト防水熱工法で施工されていました。
経年で表面の劣化が進んでいましたが、全てを撤去しなくてはならない程ではなかったので、この上から新規の防水工事を行う事にしました。
新規の防水工事は、もともとのアスファルト防水と同じ種類で、臭いの少ないトーチ工法を提案させていただきました。
コストパフォーマンスにも優れた工法で、実績も30年以上ありますので、自信をもっておすすめさせて頂きました。
雨漏りの原因は一つとは限らないので、雨漏りの要因となりそうな箇所は、徹底的に雨漏り修理するのが基本です。
左の写真は笠木といわれる金具を取り外して、金具の下の防水層の状態を確認している状況です。
下地やコンクリートと十分接着していない部分もありましたので、金具の下の防水層は撤去することにしました。
防水工事は20年以上やっていますが、防水層を撤去する時がいちばん気をつかいます。
撤去の仕方が悪いと、新しく施工した防水層との間にすき間をつくってしまって、そこが、ふくれや雨漏りの原因になる事もあるので、雨漏りの修理でとても重要な工程です。
防水層の撤去が完了しましたので、平面部分に下地活性剤といわれる(写真の黒い塗料です)
接着剤を塗ってしばらく乾燥させます。
←ここがポイント
防水層にとって水たまりは大敵なので、勾配が悪い場合は新規の防水工事をする前に調整しなくてはなりません。
写真の白くなっている部分はモルタルで勾配を直した箇所です。
新規の防水工事の施工が始まりました。
トーチ工法は、防水層の裏面をバーナーで溶かして施工します。
←ここがポイント
トーチ工法の良否は炙り加減で決まります。
写真のように、シートの端からアスファルトが少し流れるくらい炙らないとダメな防水工事となってしまいます。
防水層の施工が終わりましたら、シートの端に念のためシーリング剤といわれる止水剤を塗っていきます。
最後に取り外した笠木(金具)を付け直します。
仕上げは、話題の遮熱塗料です。
この塗料は夏場ですと表面温度が10~20℃低くなりますので、効果を実感できると思います。(TVで見た実測値では夏場で室温が3℃程度低下してました。)
これからの雨漏り修理は、雨漏りを止めるだけではなく、お客様に様々な付加価値を提供しないといけないと思います。
防水工事をお考えの方はいろいろな種類の遮熱塗料が出ているので、コストや耐久性をよく比べて選んでいただきたいですね。
田島ルーフィング㈱のSPサーモコートを使用しています。
約一週間で完了しました。